中国プロサッカー選手の奮闘記

〜日本で育った中国人が、18歳で中国に帰って体験したこと〜

【給料未払い当たり前!?】中国プロサッカーの実態

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シーズン終了とチームの解散

今回は中国リーグ(主に3部リーグ一部の2部リーグのチーム)でよく起こる、資金問題とそれに対するサッカー協会の政策について書きます。

 

2019年リーグ終了後、資金問題が解決できず2部リーグから3クラブ、3部リーグから6クラブが解散を公式発表(2020/02/07時点)まだ増える可能性アリ。。。

 

*解散チームの穴埋めは一つ下のリーグからその年の成績順に昇格されます。

 

なので、単純計算で1クラブ25名の選手がいるとしたら

今年は、25名×9チーム=225名の選手がリストラとなり、2020年のトライアウトは激化すると同時に、契約が取れずに引退する選手も少なくありません。

コーチ陣、スタッフ陣を合わせれば更に多くの人が職を失うのが現状で、ここ数年は、この状況が続いています。

サッカー協会の政策

そこでサッカー協会が、無責任なオーナーに無理なチームを運営させないよう、シーズン途中の夏(7月中旬頃)とシーズン終了後(今年は異例*で2月3日)の2回、選手全員がちゃんと給料を受け取っていると証明書に一人一人サインをして、全てのクラブはそれをサッカー協会に提出しないといけないという政策が適用されました。

 

*その証明書が提出できない、もしくは認められない場合は、リーグ参加権を剥奪されてしまいます。

*今年は例年に比べ、解散危機にあるチームが多く、サッカー協会は証明書提出の猶予を伸ばしました。

政策の”落とし穴”

この一見良さそうに思える政策ですが、”落とし穴”しかありません。

 

なぜそう言い切れるかと言いますと、

僕自身がこの政策に振り回された

からです。

 

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記事 リーグ下半期 より

リーグが始まって2ヶ月目の5月、給料日になっても給料が振り込まれていないという問題が起きました。

チームからは7月の証明書提出までには未払い分を全て振り込むと言われましたが、結果7月の時点で3ヶ月分の未払いが発生していました。

 

そして、7月になり、クラブは選手・コーチ陣・スタッフ陣の一人一人のサインを集めて、サッカー協会に提出しなければならない時がきました。

 

普通に考えれば、誰もサインせず、クラブは続行不能。

ですが!!!

続行不能となって困るのは選手・コーチ陣自身もなのです・・・。

もしリーグ下半期、クラブが存続しなければ、その時点で選手たちはフリーになってしまい、ほとんどの選手が行き場を失います。

 

そこで、選手たちはサインを余儀なくされ、来年良いチームに移籍できるようしっかりパフォーマンスをするという道を選びます。

 

この時、 クラブオーナー側から「1ヶ月分の給料を先に支払うからサインしてくれないか」と言われ、すでに生活費に苦しむ選手達はその条件を聞くしかありませんでした。

 

*宿舎と食事はクラブが用意してくれます。もちろんチームの資金力によって環境のレベルは大きく変わってきます。

 

ここまでを経験した段階の僕の気持ちは、

まさか自分が・・・ と失望すると同時に、こんなことで夢を諦めれないという

”怒り”を原動力に変えて、腐らずに戦い抜いて良いチームに移籍してやる!という前向きな考えになっていました。

 

それでも、チーム全員で毎日走って、体を追い込みまくっている中、給料日になっても振り込まれないと、チームの士気はどんどん下がっていき、残留できれば良いや・・・という甘えが出てきます。

 

さらに窮地に追い込まれるチーム

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記事 リーグ下半期 より

リーグ残り2節でこの告発を受け、さすがにこの時は心折れました笑

 

オーナーからコーチ伝いで「残りの試合に勝って残留できれば、ちゃんと勝利給を支払う!」(もちろん今までに、勝利給すら一度も払われたことはありませんでした)

とは言われましたが、誰も信じれませんでした。

でもここまできて、”降格”というレッテルだけは貼られたくないし、応援してくれてるサポーターのためにも最後の力を振り絞り、なんとか勝利できました。

 

そして、この時はちゃんと勝利給が支払われて、少し嬉しかったです。

 

こうして、僕にとってのプロとして一年目のシーズンはなんとか3部に残留して終えることができました。

 

気の抜けないオフシーズン

でも、冬の証明書提出はまだ終わっていません。

 

このチームは、2018年の半分の給料すら未払いで、その当時から所属していた選手は、2019年シーズンの契約更新前に、2019年11月までに支払うという約束でしたが、もちろん支払ってもらっていないようで、誰ももうオーナーの事は信用しません。

 

結局、冬の証明書はチームが勝手に選手のサインを代筆して提出した(この時めちゃくちゃムカつきました)みたいですが、認められるわけもなく。

 

現時点で、このチームの存続はよくわかりません。

来季へ向けて 

僕自身は完全に切り替えていて、シーズン終了後の休み明けから、すでに次のチーム探しをしていて、何チームかトライアウトを受けていました。

 

今はコロナウィルスの影響でトライアウト途中で日本に帰ってきて、自分でトレーニングしながら移籍予定先のチームからの集合通知を待っています。

 

ここまで自分でこの記事を書きながら、当時を振り返ってみると、

本当によく頑張ったと思えます・・・。

何より鼓舞しあって最後の最後まで戦い抜いた、チームメイト・コーチ・スタッフ陣にはとても感謝しています。

 

この経験が糧となりますように。

 

今回の記事では、中国の下位リーグにおける資金トラブルについて経験を元に書きました。

 

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